目次(羊土社、立ち読みページあり) 2022年10月7日 発行

概要
「これからのバイオエンジニアリング 
  − 機械・電気・計測・情報を学ぶ人のための生命科学入門
複雑な生命からポイントを吟味・抽出し,本質を発見・発明へつなぐ.工学・物理系が得意とする視点から,生体物質・生命現象を捉えるとどうか,そのはじめの一歩とは,を解説する12テーマ.融合と創造は,ここから.

【 「序」より】
バイオエンジニアリングの重要性は近年ますます拡大しています.なぜならば,それは生命の原理という大きな謎を解き明かす学問であると同時に,長寿高齢社会の諸問題 の解決や,生活の質いわゆる Quality of Life(QOL)の向上,環境や食料などの地球的課題の緩和に直結するものだからです.そしてその学習は,小中学校の理科の中で最初のステップが始まり,高校,大学・大学院へと展開されています.しかしこの分野を, 暗記が多い,細分化されている,考え方の道筋がわかりにくい,と感じる学生も少なからずいるようです.また,数学や物理学の方がすっきりなじみやすく感じる,と話す学生もいます.
(中略)
現代のこの分野の進展は爆発的です.しかし特に大きなジャンプを伴う発見・発明の基盤は,常に数学や物理学に根差した深い洞察です.暗記ではありません.電気電子情報工学や機械工学などを含めた数学や物理学,特にそれらが用いる論理展開方法や数式がもつ予言能力が果たす役割は絶大です.生命はとても複雑ですが,その複雑な現象の中から重要なポイントを吟味して抽出し,すなわちモデル化して,複雑な対象の本質を理解したり使ったりしてゆくことが大切です.それが新たな発見や発明につながるのです.
(中略)
読者の皆さんが,本書によってバイオエンジニアリングの基盤が実は数学や物理学によって成り立っていることを,実感していただければ幸いです.そして,もしかすると苦手意識を感じているかもしれない方々も,本書をきっかけにこの分野に興味と親しみを感じて一緒にこれを開拓してくだされば,望外の喜びです.

生命科学概論(物理系) 教科書/参考書
古川克子 高木周 原田香奈子 田畑仁 佐久間一郎 東隆 高橋浩之 関野正樹 廣瀬明:

「これからのバイオエンジニアリング
- 機械・電気・計測・情報を学ぶ人のための生命科学入門

東京大学バイオエンジニアリング教科書編集委員会/編 羊土社) ISBN 978-4-7581-2122-4

K.Furukawa S.Takagi K.Harada H.Tabata I.Sakuma T.Azuma H.Takahashi M.Sekino and A.Hirose
Introduction to Bioengineering - For Mechanical, Electrical, Instrumentation and Information Engineers (in Japanese)